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■裾野市との協議について

■裾野市民文化センター大ホールスプリンクラー事故調査委員会
  調査委員会と『調査報告書(最終報告)』(2023627日)の問題点(概要)  

■裾野市  令和 6年 12月 定例会  1205日-一般質問-04号 (裾野市議会会議録より) 

裾野市との協議について (裾野市発表内容に対するコメント)   2025年12月1日

2022(令和4)年924日裾野市民文化センターにおいて発生したスプリンクラー事故によって当楽団が被害を受けていることに関して、2025(令和7)年117日に裾野市長が行った記者会見における発表内容には事実と異なる点があり、事実と異なった報道もなされました。また、裾野市は自らの責任を認めることなく、事故発生当初から何の根拠も示すことなく、被害者である当楽団に非があるような発言を繰り返しています。以下に、裾野市長がいう「和解協議」に関する経緯や基本的な考えを示します。


 

1.    裾野市による信義誠実の原則に反する行為(信義則違反)

裾野市は当楽団に対し、「和解協議の内容を非公表とする」と一方的に繰り返し強く要求してきました。市議会の答弁でも確認することができます。当楽団は裾野市の強い要求に従い、協議内容を発表することはありませんでした(とはいえ、発表できるような協議は全く行われていません)。しかし、裾野市は当楽団に何の連絡もなくその約束を一方的に破りました。これは行政権限の濫用であり、行政(裾野市)の公正・中立・誠実の原則が問われます。裾野市長が記者会見において事実と異なる内容を発表することそのものや、事実と異なる発表をすること、さらに、事故の被害者である当楽団の印象を悪くさせようとする発表も行政としての倫理並びに法的な問題が指摘されます。裾野市はこれまで約束を破ってばかりいました。

 

2.       裾野市の発表と報道が事実と異なる点(要点) 経緯の詳細は「裾野市民文化センタースプリンクラー事故について」をご覧ください。

     裾野市がいう「協議」の中で、裾野市「請求の根拠を示していない」 → (当楽団)請求書に示している → 裾野市「支払うつもりはない」、「詳しい資料を欲しい」、「和解には裁判所での調停や判決といった客観的判断が必要になる」、「和解案は提示しない」 → (当楽団)裁判所の判断が不可欠であれば、治療費や楽器損害等個人情報を含む詳細資料は裁判所に提出すればよいと判断。

     裾野市「楽団からの問い合わせには全て回答している」 → 回答していないものが複数ある。1年4か月間、何度も回答を求めたが回答を放置したものもある。

     裾野市「楽団からの公文書開示請求に対応した」 → 非開示、部分開示、不存在が多く、これまでの会見での発表、市議会での答弁、当楽団への説明と矛盾する点がある。なお、請求にかかる費用は当楽団の負担。裾野市が情報を提供すれば請求する必要はなかった。公文書の開示は裾野市が自ら条例で定めているもので、誰でも請求できる。市側の対応に問題があるだけである。

 

3.    裾野市長による突然の和解協議意向の発表

裾野市長は、事故発生当時から、「設置や管理に瑕疵があったと認められなければ、公金を拠出し、補償をすることはできかねます」と主張してきました。

ところが、2023(令和5)年628日、裾野市長は、前日に裾野市の事故調査委員会が最終報告書を提出したことにより、「シンフォニエッタ静岡様への和解金の支払いに向けて協議を申し入れたいと考えております」と述べました。

2023629日朝日新聞によれば、「額については「裁判所の視点を入れた上で判断していく必要がある」などとして民事調停の申し立ても検討するという。市の意向は同日、楽団側にも伝えられた。近く正式な形で申し入れをするという」と裾野市長の発表を報じています。

しかし、裾野市代理人の御宿哲也弁護士から電話で報道内容と同程度の連絡があっただけで、正式な形(が何を指すのか不明)での申し入れは受け取っておらず、和解内容も提示されていません。

裾野市長の「設置管理に瑕疵がなければ公金を拠出できない」との主張と、「事故原因は特定できないが和解をしたい」との主張が矛盾していることについての説明もありません。

 

4.    和解とは

和解とは、「1 争っていたもの、反発しあっていたものが仲直りすること」、「2 民事上の紛争で、当事者が互いに譲歩して争いをやめること。契約による物と、裁判所においてなされるものとがある」とあります(デジタル大辞泉より)。

当楽団は、指定管理者からの演奏依頼を受けて訪問した裾野市民文化センターにおいて事故の被害を受けたことから、損害賠償請求をする立場であり、そもそも裾野市とは争いになっていません。「和解」という言葉を用いることによって、裾野市は責任を回避し、当楽団にも非があるかのような印象を広く人々に与えることから、裾野市長が「和解」と発言することには強い不信感を抱きました。

当楽団から「和解」の発言に不信感や違和感があることについて、裾野市側に伝えたところ、裾野市代理人弁護士は、「市長が市長室で『和解をする』と言ったので、市長の目の前で市長室から楽団に電話をかけて、市長の発言をそのまま伝えた」と説明したのみで、その意味については説明がありません。
 この「和解」との理由や、当楽団との協議については2024(令和6125日裾野市議会賀茂博美議員による質問と裾野市の答弁もご参照ください(
下記「裾野市  令和 6年 12月 定例会  1205日-一般質問-04号」参照)。

 

5.    極めて一方的な和解協議の前提条件

 裾野市は当楽団に対し、和解協議を行う前提条件として、「『事故原因は特定できない』という市の事故調査委員会の結論を前提とすること、賠償協議ではないこと、裾野市に瑕疵はなく事故の責任はないこと、事故原因について協議をしないこと」と提示してきました。

当楽団としては、当然このような非常識で一方的な条件をのむことはできないと訴えましたが、裾野市は当楽団の要望を受け入れなることは一切ないと述べました。双方歩み寄って解決を図ろうという「和解」という言葉を発しておきながら歩み寄ることをしない裾野市を信用することは到底できません。

 

6.    請求書の提出と裾野市の回答

裾野市から、上記の前提条件で損害額を連絡するようにとのことでしたので、当楽団は、弁護士や税務署にも相談のうえ、裾野市が示す前提条件に則って損害額を算出し、202425日に請求書を送付しました。請求書には根拠を示しています。

請求書に対して裾野市から回答がありましたが、項目ごとに「支払わない」、「詳細が欲しい」というもので、和解案は一切示されず、支払う意向は全く示していませんでした。

 

7.    請求の根拠

2025117日の裾野市の発表と報道では「請求の根拠が示されていない」とありますが、請求時に根拠は提示しています。ただし、和解協議に向かうための前提条件が上記のとおり非常識かつ極めて一方的であること、個別の楽器については秘匿性の高い個人情報であることから、情報の提供には細心の注意が必要と判断しました。

請求額については、裾野市の前提条件に従ったことにより、楽器の修理・買替費用、怪我の治療費や慰謝料といったものだけではなく、「事故原因が特定できない」ことを前提としているため、今後利用する文化施設のスプリンクラー設備が安全であることを確認する為の調査費用や、「人為的操作の可能性が高い」との発言を裾野市長は撤回しないと回答を続けることから、当楽団が利用する施設に警備員を配置するための費用といったもの、税務署からの指導により、課税予定額も計上しました。これらの費用が多くを占めています(個人への損害賠償の場合は非課税であるが、法人への損害賠償は課税される。裾野市が「損害賠償ではない」と主張していることから個人への支払いも課税対象になる可能性も十分にあるといった指導があった)

 

8.    裾野市の発言に一貫性、整合性が欠如

裾野市は「個人情報、被害に遭った楽器の詳細等の資料が欲しい」と要求してきましたが、こちらが要求することについては回答をしない、和解案が一向に示されない、裾野市長や代理人弁護士の発言には一貫性や整合性が欠如していること、面談等における約束がすぐに反故にされる、さらに裾野市は、「和解においても、公金を拠出するために議会の承認も得なくてはならないことから、調停あるいは判決といった裁判所による第三者の客観的な判断が必要」と述べていることから、裁判所に提出する資料を予め裾野市に渡す必要はないと判断しました。

なお、この度、裾野市を提訴したことにより、裾野市には請求の根拠が全て示されています。よって、未だに根拠が示されていないかのような裾野市の発表や報道には問題があります。

 

9.    そもそもの問題点

当楽団は指定管理者からの依頼を受けて演奏に訪れた裾野市でスプリンクラー事故に遭いました。裾野市民文化センターは裾野市が設置・管理する施設です。

事故当日、裾野市長をはじめ、副市長、複数の市職員が現場を訪れていましたが、被害者である私達の前には現れず、救護することも、被害状況を確認することもありませんでした。市長・副市長をはじめ、市職員は「成人式ができなくなっちゃう、どうしよう」という話をしていたことを確認しています。

事故後、現在に至るまで、私達と対面することも、直接協議することも拒否し続けており、事故の責任を認めることもなく、一方的な要求ばかりが市の代理人弁護士から突き付けられます。このような相手と「和解」することができるでしょうか。202412月の市議会において裾野市民の代表である賀茂博美議員が質問したように、「なぜ被害者が歩み寄る必要があるのでしょうか」。

裾野市長をはじめ、市職員は事故発生時から一貫して当楽団に非があると広く受け取れるような発言を繰り返していること、敵対心を表す言動をとる理由がわかりません。裾野市長や市職員は、初めて裾野市を訪問した私達にどんな理由で、事故発生時から3年以上もこのような対応を続けるのか全く理解することができません。

 

なお、裾野市が「事故の原因は特定できなかったことから、裾野市に責任はない」と主張する根拠である裾野市事故調査委員会による『調査報告書(最終報告)』の問題点については、下記「事故調最終報告の問題点」にまとめましたのでご参照ください。

  


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裾野市民文化センター大ホールスプリンクラー事故調査委員会
調査委員会と『調査報告書(最終報告)』(2023627日)の問題点(概要)    2025年12月1日
 裾野市が設置した裾野市民文化センター大ホールスプリンクラー事故調査委員会(以下、「事故調」)、並びに事故調が2023627日に発表した『調査報告書(最終報告)』(以下、「『最終報告書』」)には、以下に示す問題点が指摘できる。それにより、事故調の中立性が喪失しており、『最終報告書』の信用性が完全に損なわれているといえる。

 

1.事故調の問題点「中立性の喪失」
①事故調事務局は裾野市代理人、代理人は市の顧問弁護士ではなく市長の知人

     事故調の中枢を担う事務局2名(御宿哲也弁護士、根本翔一弁護士)は裾野市の法的利益を守る弁護士。利益相反が指摘されるが、裾野市は市議会においてそれを認める答弁をしている。

     市の顧問弁護士ではなく、市長の知人が市の代理人となり、事故調の事務局にまで関与したことは恣意的な選任に該当し、公正性が欠如している。(『最終報告書』提出後、代理人の事務所と市は顧問契約をした)

     事務局が市の代理人であることによって、市に不利な情報が委員へ渡らない、証拠収集プロセスの制御、市に不利な論点の排除(調査範囲の絞り込み)、自由な議論が阻害される(議論を記録した議事録が存在しない)、市に不利な文言を書かない、議事録が市側に都合良く編集されるなど、事故調のガバナンス・透明性が欠如する。

 

②事故調の調査を市に漏洩、市による事故調への介入、事故調と市のやり取りの隠蔽

事務局兼市代理人から及川副市長(当時)への電子メールには、事故調の現地調査の模様を随時連絡すること、その返信として副市長は個人の携帯電話に連絡するように指示をしていることが記されている。事務局は事故調の調査情報を市に漏洩させており、市が事故調に介入していることが公文書として残らないようにするための指示であり、隠蔽行為が指摘できる。

 

③点検業者に調査を実施させている

管理責任を問われ得る点検業者(ニッセー防災、日本ドライケミカル)に調査の提案、計画、実施、報告までの全てを行わせている。点検業者に調査をさせることを協議、決定した記録がない。事故調が点検業者に不備を隠蔽させる機会を与えている。第三者による調査の原則から完全に逸脱している。

 

④委員の選任方法と専門性

委員の選任は、市から事故調事務局=裾野市代理人弁護士に委ねられ、市長が任命していることから、第三者が選任されたのか疑わしい。あわせて委員の専門分野を見るとスプリンクラー設備に関する専門家がいない。

 

被害者・目撃者を調査対象から排除

事故発生時現場にいたことから、本来調査対象とすべき楽団関係者への調査(ヒアリング)が行われていない。特に楽団に対しては合同での調査を認めながら後に拒絶しているが、その理由や協議内容が示されていない。質問にも応じない。

 

2.『最終報告書』の問題点
①中立性の欠如 ・隠蔽

事故調の中枢を担う事務局2名が裾野市の代理人弁護士であることが記されていない。

 

裾野市の責任を回避させること、事故原因は特定できないことを前提とする記述

事故調は調査範囲を誤作動による放水の可能性の有無に限定した。「誤作動」と表記すべきところを、「人為的操作以外の原因」と曖昧な表現を用い、はじめから市の責任を回避させようとしていることに加え、「事故原因は特定できない」ことを前提としていることが指摘できる。なお、調査の範囲を誤作動に限定した経緯、決定の記録は存在しない。


③結論の理由(3)(4)は事故原因であるが、矛盾する資料や根拠のない言い分(5)で排除している。

④添付資料、1次資料と2次資料、『最終報告書』に矛盾がある。

⑤「人為的操作の可能性」の排除と矛盾

市と点検業者は人為的操作を主張しているにもかかわらず、事故調では人為的操作に関する調査を排除したが、排除した理由は記されていない。しかし、結論の理由(6)(『最終報告書』p.41)は、人為的操作であると市と点検業者が主張する根拠を調査したものであり、矛盾している。市と点検業者が名誉棄損、信用棄損と訴えられないように責任を回避させるための調査と理由である。

 

⑥不審な調査結果

事故調の「経過観察調査」は物理的に説明がつかない結果となっている。この調査よりも前に当楽団の調査があり、裾野市と点検業者は立会い、事故に至る結果であることを把握した上で「経過観察調査」が実施されたことから、裾野市の責任を回避させるために都合の良い結果を作り出したことが疑われる。

なお、仮にこの結果を事実とする場合、設備の構造上説明がつかない極めて奇怪な異常を示すものであることから、いつ事故が発生しても不思議のない異常な設備であることが指摘されなくてはならない。さらに点検業者の作業ミスも考えられるが、事故調は作業ミスがないことを前提としているため検討されていない。
「経過観察調査」6
回の調査のうち5回は事故調委員の立会いがなかったこと、事故調委員は調査動画を確認していないこと、当楽団が調査動画の開示を求めたところ「不存在」であったことから、調査が正しく行われたことは客観的に確認されていない。

 

⑦書き換えられた調査結果

事故調の「バルブ調査」は、バルブメーカーのキッツ社に依頼され、事故に至ることが示される結果が報告された(1次資料)。しかし、この調査結果を受け取った点検業者(日本ドライケミカル)は、キッツ社が提出した結果に独自の見解を加え、キッツ社が自らの結果を否定しているように書き換えた報告書(2次資料)を事故調に提出している。事故調は、2次資料を根拠として結論の理由としている。

 

⑧市の責任に全く触れていない

『最終報告書』の添付資料には、開館間もない頃からスプリンクラーの圧力に問題があることや「スプリンクラー放水」といった記録、点検において設備の更新や不良の改修要求といった記録が残されているが、これら裾野市の責任に繋がる論点が調査対象に入っておらず、市の責任に関する議論が一切行われていない。

 

⑨中間報告と最終報告との相違点の説明がない

中間報告で「漏水が誤作動を説明しうる」との懸念を示していたにも関わらず、最終報告ではその可能性を否定的に扱っている。なぜ最終報告では否定的に扱うことになったのか説明がなく、議論をした記録もない。

 

⑩結論の理由は点検業者の報告書のコピーアンドペースト

「考察」の部分に考察は記述されておらず、結論の理由としている点は、点検業者による報告書のコピーアンドペーストであり、事故調で議論されたものではないと指摘できる。特に、理由(5)においては、1次資料であるキッツ社の報告書ではなく、1次資料から書き換えられた点検業者による2次資料を根拠としている。

 

⑪オーサーシップの問題

事故調の調査と『最終報告書』は、市の代理人である事務局と点検業者によってまとめられ、委員が発言した記録がほとんど見られないこと、根拠の提示や出典の未記載、2次資料の転載といった論文の基本ができていないことから、大学教員である2名が『最終報告書』の執筆や監修をしたとは到底考えられず、オーサーシップの問題が指摘される。

 


以上のことから、この『最終報告書』は報告書としての信用性はない。

また、裾野市長は『最終報告書』を受け取った翌日には、このような内容の報告書の精査を終え、事故調を解散させている。同日に記者会見で報告書の内容や「和解協議」と対応を発表した。予め報告書の内容を知っていなければ、これらを『最終報告書』受領から1日で判断できるとは考えられない。

 

3.事故調結論に基づく裾野市の問題

     裾野市は「事故の原因は特定できない」だけを主張し、「但し、本件事故が人為的な操作以外の原因で発生した可能性は排除できない」(=誤作動の可能性がある)については排除し、当楽団との事故原因に関する協議を拒絶している。

     裾野市および事故調は、事故調解散前から当楽団から事故調への質問を拒絶した。委員個人への質問状の送付についても裾野市は「法的措置をとる」といった文書を当楽団に送付し、委員への質問を拒んだ。事故調実施期間はもちろん解散後であっても委員には説明責任があり、市の代理人が委員への接触を遮断することは、委員会の独立性を否定し、事実関係の確認を妨害する不適切な行為である。


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裾野市  令和 6年 12月 定例会  1205日-一般質問-04号 (裾野市議会会議録より)    2025年12月1日

14番(賀茂博美議員) それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。

  大きな1番です。文化センター大ホールスプリンクラー事故の対応についてです。2022年9月24日の文化センター大ホールのスプリンクラー事故から2年以上が経過いたしました。昨年の6月には、被害に遭われた楽団と和解に向けた協議を行うと公表され、和解協議を円滑に進めるために、協議情報等は非公開とのことでありましたので、議会は見守る形を取ってまいりました。

  それから1年以上が経過し、市民からは大ホールの今後や和解に向けた協議の状況についてお尋ねされる機会が多々ありますが、協議が進められているか否かも含め、全く情報のない中では「分からない」としかお答えすることができず、それを聞いた市民は心を痛め、今後を心配される方ばかりです。

  しかし一方で、被害に遭われた楽団は、これまでSNS等で市の対応や対応に対する不満などを複数にわたり投稿されています。互いに協議の場についているのであれば、情報発信の内容も互いに調整がなされているのではないかと疑問を感じてしまいます。

  既に2年以上という月日が経過してしまったこの事故の解決に向け、協議はきちんとなされているのでしょうか。また、心配されている市民の皆様に、現段階でお伝えできることはないのでしょうか。

  今後大ホールの改修工事が行われ、再び使用できる状況となった際、誰もが気持ちよくこの施設を使っていただける状況であってほしいと多くの市民が願っています。そこで、以下お伺いをいたします。

  (1)、市はどのような体制で対応されているのでしょうか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 他の事務と同様に、顧問弁護士に相談しながら、両副市長をはじめ、教育部だけでなく、総務部職員など他部局職員も加わって対応を協議し、適宜市長への方針確認や報告を行って事務を進めております。なお、相手方との直接の対応につきましては、顧問弁護士にお願いをしております。

 

14番(賀茂博美議員) では、顧問弁護士の方について伺いたいと思います。

  顧問弁護士にご相談をしているかつ直接な対応も顧問弁護士にお願いをしているということですが、通常の法律顧問委託料、この中での対応をしていただいているという認識でよろしいでしょうか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 通常の顧問弁護士料の中で対応しているのかというご質問ですけれども、原則としましては、相談や楽団との窓口など顧問弁護士料の中で対応をしていただいております。ただし、今後の方針を検討する上で法的な論点整理等を行った際に、別途委託料をお支払いしたケースもございます。

 

 

 

14番(賀茂博美議員) では、直接の対応を顧問弁護士にお願いしているということですけれども、この顧問弁護士を代理人という扱いで対応されているということの認識でよろしいですか。

 

◎教育部長(勝又明彦) お見込みのとおりでございます。

 

14番(賀茂博美議員) この顧問弁護士を代理人という形で対応いただいているということですけれども、代理権について伺いたいと思います。代理契約、委任契約の有無を含めまして、代理権の付与の状況について伺います。

 

◎教育部長(勝又明彦) 令和4年1019日付で委任契約を締結しておりまして、当該契約が現在も継続をしているということでございます。

 

14番(賀茂博美議員) 令和4年11月臨時議会で法律相談等弁護士委託711万、このときの委任契約が継続しているということですが、契約期間というのはどういう設定になっていますか。

 

◎教育部長(勝又明彦) この案件が解決するまでということになっております。

 

14番(賀茂博美議員) 解決するまで委任契約が継続ということですけれども、先ほど顧問弁護料の中で別途支払いもしたことがあるというのが、多分この令和4年11月の臨時議会で支払ったものだというふうに認識しますが、今後委託料等予算計上が必要になる想定はありますか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 今後については、まだ確定したことは言えませんけれども、そういった場合も生じてくるということが考えられます。

 

14番(賀茂博美議員) では、答弁いただいた内容からもう少し確認をさせていただきます。

  対応に対する体制ですけれども、まず顧問弁護士の方にご相談。そして、両副市長、それから教育部、総務部、関係部局の皆さんとご相談をし、適宜市長への方針確認や報告を行っているというお話でした。この対応方針に対する意思決定というのはどこにありますか。

 

◎教育部長(勝又明彦) お答えします。

  厳密に分類することは困難でございますが、大まかに申し上げますと、市としての対応全体に関わる事項につきましては、市長決裁を取ったり、市長レクを行ったりしております。それ以外の問合せへの回答などにつきましては、副市長以下で協議をしております。

 

14番(賀茂博美議員) 対応の状況につきましては分かりました。

  では、直接の対応を顧問弁護士にお願いをしているということですけれども、市としては直接楽団の方とお会いをしたことはあるのでしょうか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 楽団との対応は、代理人弁護士のほうにお願いをしておりますので、市の職員が直接お会いして対応したということはございません。

 

14番(賀茂博美議員) この件、誠意を持ってしっかりと対応していく必要がある案件だというふうに思っていますが、市職員、特別職の皆さんもそうですけれども、お会いにならない理由というのが何かあるのでしょうか。

 

◎教育部長(勝又明彦) まだ直接楽団と面会する状況にはないという判断でございます。

 

◎副市長(及川涼介) お答えいたします。

  和解金額の協議については、法令に基づいた整備等が必要になるため、一括して代理人にしておりますので、現時点で職員が面会する予定はないということでございます。

 

14番(賀茂博美議員) 代理人にお願いをしているからということですけれども、まずはやっぱり顔を見てしっかりとお話をしてから、代理人の方にその先の事務手続含め協議をお願いするのが筋ではないかと私は思います。

  では、次に行きます。(2)です。市はどのような和解内容を目指し、協議を進めるお考えでしょうか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 現在協議中の内容になりますので、お答えのほうは差し控えさせていただきます。

 

14番(賀茂博美議員) 協議中ということはお話がありましたので、ですので、協議は行われているということでよろしいですか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 協議は継続しております。

 

14番(賀茂博美議員) では、和解内容についてお伺いをいたします。

  今回のこの質問では、和解金の金額等をお聞きするものではないということをお伝えさせていただきまして、協議が進められているということは、市が和解をしていくための和解案、多分お考えになっているとは思うのですけれども、この和解案は既に相手方にお伝えはされたのでしょうか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 和解案につきましては、現時点ではお示しをしておりません。

 

14番(賀茂博美議員) 和解案は示されていないということは、和解案は既に市の中では協議が調っているということでよろしいですか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 協議の内容になってまいりますので、お答えのほうは控えさせていただきます。

 

14番(賀茂博美議員) 分かりました。では、和解内容を算出するに当たっては、どういう算出する方法があるのか私はちょっと分からないのですけれども、被害に遭われた楽団の方々の被害状況というのは把握する必要があると思います。事故があった後、指定管理のほうから楽団の方々に具体的な被害内容等の提出を依頼しているかと思います。どのような方がけがをされたとか、どの程度のけがであったとか、どのような楽器がどのようになってしまって使えなくなったとか、この詳細、精神的なものではない、実際の被害についての報告というのはいただいていますでしょうか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 協議中の内容でございますので、回答のほうは控えさせていただきます。

 

14番(賀茂博美議員) なかなか内容は公の場ではお伝えできないということと受け止めます。

  では、一般的なお話でお伺いさせてください。民法上、例えば地方自治体と住民等が紛争があった際の和解金の算出。今回こういった件があって、様々いろんな自治体の例なども調べられているのではないかというふうに思うのですけれども、もし一般的な和解金の算出方法等調査されている案件がありましたら教えてください。

 

◎総務部長(勝又博文) 調査されているかということでございます。国家賠償請求訴訟上の和解の場合は、裁判所の和解勧告によって示されます。また、民事調停における和解の場合は、裁判所の調停委員から双方の主張額を基に解決案、調停案として示されます。いずれにおいても、算出方法はその事案によるため、一概にはお答えできかねます。

  以上です。

 

14番(賀茂博美議員) 分かりました。

  では、(3)に移ります。相手方と協議が進められているのか否か、状況を伺います。

 

◎教育部長(勝又明彦) 協議、具体的には相手方への連絡や顧問弁護士を介した相手方との面会などは引き続き実施をしております。

 

 

14番(賀茂博美議員) 引き続きということは、何度か面会は重ねられているということでよろしいですか。

 

◎教育部長(勝又明彦) そのように考えていただいて構いません。

(当楽団注:面会は市長の「和解協議意向」発表後は20231124日、2024416日の2回のみ。それ以前も2022127日と1220日の2回のみである)

 

14番(賀茂博美議員) 今何度かお会いになっているということは、協議は解決に向けて順調に進められていますでしょうか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 順調にというところはありますけれども、顧問弁護士を介した相手方との面会などは引き続き実施をしているところです。

 

14番(賀茂博美議員) 面会をされているとか、協議が進んでいるというお話は、裾野市側から初めて伺いました。楽団さんの情報発信によりますと、裾野市の代理人と面会をされたというような情報等もありました。今協議をしている中にあって、この協議の情報の扱いについて調整はされているかどうかというのにすごく疑問を感じます。会った会わないからこれから今度具体的な協議になった際に、一方だけが情報を発信することによって、市民の皆さんのほうには正しい情報がちゃんと伝わらなくなるという心配があります。この情報の取扱いについての協議というのはしっかりなされているのでしょうか。

 

教育部長(勝又明彦) 市からは代理人を通じて協議に影響がないよう、協議中については協議内容等を非公開とさせていただきたい旨を申し入れております。当市としましては、その申入れのとおり、協議内容は非公表という取扱いをしております。

 

14番(賀茂博美議員) 今後楽団の方々にもその点のご理解をいただくようにお願いをしたいと思います。先ほど言ったように、いろんな方法で今情報が拡散できる状況にあって、一方だけの考えが広がってしまうという怖さもありますので、ぜひその辺はしっかりと調整をしていただきたいと思います。

  では、(4)に移ります。市民へ説明責任を果たすことに対するお考えを伺います。

 

◎教育部長(勝又明彦) 当然市民への説明責任を果たす必要があるというふうには考えております。ただし、協議中の内容は、あくまで未確定の事項になりますので、公表を控えさせていただいております。

 

14番(賀茂博美議員) 協議中の内容を知りたいのではないのです。市民の皆様は、この件に対して市がしっかりと動いているのか、解決に向けて少しでも前に進もうとしているのか、そこを知りたいのです。それが不安の解消につながるというふうに思っています。

 今回裾野市は、和解金の支払いをしていくという方針を出されています。ということは、少なからず市民の税金が使われる可能性があるという中では、市民はこの件については非常に関心を持っていますし、そこの中の不安を払拭していくという のが裾野市としての責任だというふうに思っていますが、その点についてはいかがお考えですか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 先ほども答弁いたしましたが、市民への説明責任を果たす必要があるというふうに考えているところです。協議に一定のめどが立った段階で、速やかに協議結果等を説明させていただきたいというふうに考えております。

 

14番(賀茂博美議員) 時期が来たら皆さんには伝えるということ。その時期がいつになるかは少し不安を感じるところですけれども、ぜひ今回この質問を通して協議が進められているのだということを知れたことは、また大きな一歩だったというふうに思っていますが、ぜひ市民の皆さん不安に思っている方もいらっしゃいますので、市としての市民に対しても誠意ある報告をしていただきたいなと。併せて議会にもです。議会にもお話をしていただきたいと思います。

  では、(5)に移ります。今後の対応についてどのようにお考えでしょうか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 協議をもって和解金の支払いを行い、解決を図りたいという意向に現在も変わりはありませんので、これまで同様に協議を継続してまいります。

 

14番(賀茂博美議員) 協議をもって和解金の支払いを行うことによって解決を図りたいということです。あくまで和解という考えに変わりはないということなのか、確認をさせていただきたいと思いますが、2023年6月の臨時記者会見にて、市は楽団側に和解金の支払いに向けて協議を申し入れる、この意向を示したときの報道を見ますと、市長は和解というのは賠償や補償ではないと強く強調されたという報道がなされています。あくまで和解ということに考えは変わらないのでしょうか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 和解金の支払いという考えに、現時点で特段変更はございません。

 

14番(賀茂博美議員) 和解という言葉、先ほどもお伝えしても、私は違和感があります。この和解という言葉、広辞苑で調べますと、「①、お互いの意思がやわらいでとけあうこと。なかなおり。②、争いをしている当事者がお互いに譲歩しあって、その間の争いを止めることを約する契約」、こういった意味があると。

  ということは、つまりお互いが歩み寄って解決をしていく、これが和解という言葉の意味です。そして、今回この事故、裾野市が設置をする市民文化センターで事故が発生し、そこで被害を受けた。この事実に対して相手方が歩み寄らなければならない理由というのは何になりますか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 和解金とは、終局的な事案の解決のためにお支払いをする金員を指すものでございます。その意味におきまして、和解金の支払いという表現を使用しているものでございます。本件によらず、どのような事案におきましても裁判以外の手段で終局的な事案の解決を行う場合には、双方の協議が必要になるものというふうに考えております。

 

14番(賀茂博美議員) 終局的なお支払いの金額を和解という形で表現をしているということですね。

  では、賠償や補償という形での解決に対するお考えがありますでしょうか。賠償は、他人の権利を侵害した者がその損害に対して補填すること、補償は損失や出費を金銭などで補って償うもの。賠償や補償という形での解決に対するお考えをお聞きいたします。

 

◎教育部長(勝又明彦) 事故調査の結果からは、市に瑕疵があったために他人に損害が生じたと決定することはできないため、市に賠償責任があると決定することはできないことから、賠償金として支出することはできないというふうに認識をしております。

 

14番(賀茂博美議員) 2022年、令和4年11月臨時議会がありました。事故調査委員会の設置に係る費用、それから先ほどの法律相談等の弁護士委託料900万円の増額を行った臨時議会です。

  その際、国家賠償法第2条についての質疑がなされています。国家賠償法第2条は、「道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる」というものです。そのときの質疑に対する答弁ですが、「瑕疵がまず認められることが前提に来ていると思っているので、まず原因を追求することが私どもの責任だ」と述べられています。

  そして、事故調査委員会による調査が行われましたが、事故原因の究明には至っておりません。

  そして、国家賠償法第2条における瑕疵についてですが、通常有すべき安全性を欠いていることをいい、これは客観的な瑕疵が存在されれば足り、損害の発生に対して設置者や管理者の過失の有無は関係ない無過失責任というふうにされています。

  ただし、結果責任ではなく、不可抗力の事故にまで責任を負うものではないともされておりますが、この国家賠償法第2条に基づく賠償についてはどのようにお考えでしょうか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 事故調査の結果からは、市に瑕疵があったかどうかというところは明確になっておりません。不明でございますので、賠償責任があると決定することはできないというふうに認識をしております。

 

14番(賀茂博美議員) 瑕疵があるないについては、事故調査委員会も既に最終報告書を出している段階ですので、どこで判断できるのかが分かりませんが、では賠償、補償については考えていないということだと思います。

  和解を前提にすれば、先ほど少しありましたけれども、裁判外での和解、それから裁判上での和解、幾つかの方法があります。過去の市の記者会見の報道によりますと、裁判所の仲介の下で金額を確定させることも考えているとか、裁判所の視点を入れた上で判断していく必要があるなどとして民事調停の申立ても検討しているなどの発言もあったようですが、今後の進め方について想定していることはありますでしょうか。

 

◎教育部長(勝又明彦) 公金を支出するということになった場合には、市民の皆様にご理解いただけるように客観的に算出する必要があるというふうに考えております。協議に当たっては、民事調停を申し立て、裁判所の仲介の下で金額を確定することも考えております。

 

14番(賀茂博美議員) 想定の範囲の中では、もちろん金額の確定に裁判所を仲介するということも考えているということは分かりました。

  では、この事故をいつまでに解決を図りたいというふうに考えて市側は対応していくのでしょうか。市長の任期も残り1年ちょっとです。任期の中で解決を図りたいとお考えなのか、協議が調うまで解決が図れないというふうに捉えていらっしゃるか、市としてのその意気込みというか、解決に向けた意思をお聞きしたいと思います。

 

◎教育部長(勝又明彦) いつまでと期限を決めるのは難しいところでございますが、早期に解決が図れるよう取り組んでまいります。

 

14番(賀茂博美議員) 今回この質問を取り上げたのは、やはり市民の皆さんが不安に思っている方が多くいるというその点からです。市側としたら取り上げてほしくなかった問題かもしれませんけれども、やはり市民の皆さんにしっかりと知っていただく必要があると思います。

  そして、この事故の早期の解決を多くの方が願っているというふうに思います。それは被害に遭われた楽団の方も同じではないかなというふうに思います。私は音楽には詳しくありませんけれども、やはり音楽を通じて人に豊かさとか、楽しさとか、そんなことを伝えることをなりわいにしている皆さんが、こういったことに関わって本業に専念できないことは、やはり不本意だと思いますし、ぜひ市が誠意ある態度で対応されていくことが解決に向けた一歩だというふうに思っています。

  そして、2026年、令和8年には文化センター大ホールの工事が終わって、再開できる見込みになるかと思います。そのときには市民の皆さんが芸術文化を心から本当に楽しめるような施設にしてほしいと思っています。本当に思っています。ですので、早期解決に向けて市の今後の対応に期待したいと思います。


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